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がん免疫治療Q&A

WT1ペプチベータ

よくある疑問・質問

免疫細胞療法とは、どういった治療なのですか?

患者さん自身の細胞を使って作製したワクチンを使うため、身体にやさしいオーダーメイドのがん治療で、診察も含めて1時間程度で終わる通院治療です。

どんながんでも治療を受けられますか?

原則的に、どんながん患者さんでも治療は受けていただけます。ただし、病状によって、免疫細胞の培養が困難な場合があります。また、血液疾患などの患者さんにつきましては、治療を受けていただけない可能性があります。
尚、投与当日の体調により治療をお受けいただけない場合があります。

副作用はありますか?

抗がん剤などとは違い、ご本人の細胞を使用した治療なので目立った副作用はほとんどありません。
培養した細胞を体内に投与する際に、免疫を整える(活性化させる)薬を投与する場合があるので、熱が出ることが10%程度ある場合があります。
樹状細胞療法(DC療法)の場合、投与した箇所にかゆみ・水ぶくれ・発赤が現れる場合もあります。

主治医の了承が得られないと治療できませんか?

当クリニックには入院施設が無く、また24時間体制で無い為、主治医の先生の病院に籍を置く事は、患者さんやご家族さんにとっても安心だと思います。
より治療効果が上がる様に主治医の先生の治療を継続し、免疫細胞療法と併用するケースも多くあり、主治医の先生と連携を図りながら治療を行う方が望ましいので、主治医の了承は得た方がより良い形で治療を行えると思います。
主治医の了承がないと医療相談が受けられないという事ではありません。

医療相談に関しては、口頭で詳しくお伝え頂ければ、主治医の先生に伝えなくても(詳細なデータが無くても)医療相談を行う事が出来ますので、一度お越しになられて下さい。

1セット(1クール)終了後も治療を続けなければならない、という事がありますか?

患者さん個々によっても状態が異なり、そもそも当クリニックでは1セット(1クール)といった明確なくくりを設けている訳ではないですが、平均的に10回~12回投与終了時点で経過を観るケースがほとんどです。
PET-CTなどの画像診断、免疫機能検査・腫瘍マーカー等々で、腫瘍のサイズや転移状況、或いは患者さんのお体の状態を観察しながら、次回以降の方針や投与プランなどを患者さん、ご家族の方と相談の上で決定します。

がんの免疫細胞療法について

がんの樹状細胞療法とは?

がん抗原が免疫系で認識される際には、抗原提示細胞である樹状細胞ががん細胞の細かい断片を貪食します。貪食されたがん抗原は分解され、樹状細胞表面の抗原提示分子(MHC分子)の上に抗原エピトープとして提示されます。そして樹状細胞が所属リンパ節に遊走し、そこでT細胞に対してがん抗原情報の指令を発することで、がん抗原特異的細胞傷害性T細胞に代表される抗がん性の細胞性免疫が誘導・確立されるわけです。これががんの樹状細胞療法と呼ばれるものです。

樹状細胞を使って免疫療法を行なう場合、具体的にはどのようなことをするのですか?

樹状細胞は、末梢血中の単球からGM-CSFと>IL-4を用いることで、分化・誘導することができます。この方法で誘導された比較的未熟な樹状細胞は高い貪食能をもち、抗原を貪食・消化した後、樹状細胞の表面に抗原を提示する能力を持ちます。この様な樹状細胞を腫瘍内に注入し、腫瘍内で壊死した腫瘍細胞やアポトーシスを起こした腫瘍細胞を樹状細胞に貪食・消化させる方法が一つあります。
またがん抗原を試験管の中で貪食・消化させ、がん抗原の提示能力をそなえるようになった成熟樹状細胞を生体内に戻してやり、抗がん性をもつリンパ球を体の中で誘導する方法もあります。つまり樹状細胞にがん抗原を喰わせて、生体内に戻してやるのです。この際利用するがん抗原には、自己腫瘍細胞由来の抽出液や人工抗原であるがん抗原ペプチドがあります。

腫瘍細胞由来の抽出がん抗原とは?

腫瘍由来の抽出がん抗原とは腫瘍細胞の凍結・溶解を繰り返すことで得られた腫瘍抽出液のことで、この中には多数のがん抗原が含まれていると考えられます。この腫瘍抽出液を樹状細胞に貪食させて、これをがん患者さんに注射するわけです。
ちなみに腫瘍細胞そのものや腫瘍抽出液をワクチンとして、直接がん患者さんに投与する腫瘍細胞ワクチン療法も一部には提案されています。この場合には、投与された腫瘍細胞は生体内で更に分解され、生体内の樹状細胞に貪食されたあと、樹状細胞によって抗原提示が行われ、抗がん性の免疫反応が誘導されると考えているわけです。

人工抗原であるがん抗原ペプチドを使ったワクチン療法とは?

がん細胞に特異的に発現している、あるいは正常組織と比較して高発現している抗原が次々と同定されました。これらの抗原はアミノ酸配列もわかっていることから人工的に合成することが可能で、がん抗原ペプチドと呼ばれています。
がん抗原ペプチドを使って免疫する場合には、がん抗原ペプチドのアミノ酸配列によって樹状細胞上の抗原を提示する分子(MHC分子)との親和性が異なるため、現在は主としてHLA-A2, -A24 の方を対象として免疫治療が行われています。
なお、具体的な免疫のやり方は、がん抗原ペプチドを適当なアジュバントとともに直接投与する方法と、樹状細胞にこれらのがん抗原ペプチドを貪食させてから投与する方法があります。

がんの樹状細胞療法の課題にはどんなものがありますか?

  1. がん抗原ペプチドを用いる場合はHLA のマッチングが必要であり、すべての症例に治療を行なえるとは限らないことです。
    しかし、がん種によっては、現在ペプチベータを抗原として使用する場合、患者様の白血球の型(HLA型)を問わず、樹状細胞ワクチン療法が可能となります。 (独ミルテニーバイオテク社製MACS® GMP PepTivator® WT1、MUC1、NY-ESO-1を使用しています)
  2. また多種類のがん抗原やそのペプチドを用いることが望ましく、そのため色々ながんでユニークに発現しているがん抗原の同定が不可欠であり、しかも個々のがん患者さんの腫瘍が、それらの抗原を発現しているか否かの検索も必要となります。
  3. また現実問題として、標準療法が無効であった進行がんや転移再発がんを樹状細胞療法の対象とする場合は、樹状細胞療法単独では不十分でないかと考えられます。生体外で培養・生成した免疫担当細胞である腫瘍抗原特異的T細胞 (CTL)や(CD3 抗体)刺激T 細胞移入療法との併用療法が適当であると考えています。

がんの樹状細胞療法はどのように行なうべきでしょうか?

一般に有効な免疫を成立させるためには、感染症での予防接種でみられるように予防的(prophylactic)にワクチンを投与した場合には有効であるが、治療的(therapeutic)には、その効果がなかなか発揮されないわけです。
樹状細胞療法も、臨床試験をデザインする時には、外科療法などの第一選択肢である標準療法後の出来るだけ早期に、微小残存病変を対象として行なうのが適当と考えられます。

がんの免疫療法の評価について

がんの治療法には、がん細胞を出きるだけ除去するために行なう外科療法、それでも微量でも残るがん細胞をやっつける化学療法や放射線療法、そしてそれでも残るがん細胞を理論的に完全にゼロにまで体の中から消去できるがんの免疫療法があります。
がんの免疫療法はまだ新しい研究段階の治療ではありますが、副作用が少なく安全に治療を行うことができ、がんの標準治療の4 本目の柱として成長していく可能性があり、期待が寄せられているところです。
ところで、これからのがんの免疫療法でも、これを実施する対象には、中後期はいうにおよばず末期のがん患者さんもかなり含まれますので、緩和医療の一環としてがん免疫療法が行われてくる比重も今後増えてくることも予想されます。臨床試験のエンドポイントとして評価される生存期間に差がでない状況でも、がん免疫療法を行なうことでがん末期の種々の症状の出現をおさえて高いQOL(Quality of Life:生活の質)を維持することが実現できるか否かの評価も重要です。この際には、がん患者さんの主観的評価も取り扱うわけですから、広く通用する評価方法を用いて、がんの免疫療法によって高いQOLを維持することができるか否かも重要なポイントになってきます。

がんの免疫療法の目標について

がんはたとえ手術に成功しても、その後の再発・転移が大きな問題となっています。
このためがん免疫療法は、
(1)手術後の再発を予防する。
(2)不幸にしてがんが再発・転移した場合や、または手術が不可能な場合に、がんの進行をくいとめる(この際には、がんと共存するもいいます)。
(3)症状の出現を抑えて、高いQOL(Quality of Life:生活の質)を維持する。
以上3つのことが目標となります。
悪性腫瘍の治療において、手術療法が腫瘍を取り除く最も確実な方法であることは間違いありません。そのため、悪性腫瘍に対する第1の治療として手術療法が今後も推奨・選択されます。しかし、進行した悪性腫瘍では、手術後の再発が大きな問題であり、手術後の再発を念頭においた治療戦略を立てる必要があります。
またがんが再発・転移した場合、あるいは手術が不可能な場合、過去様々な化学療法・放射線療法が行なわれてきましたが、患者さんのQOLを落としてしまったり、副作用のため入院を必要としてしまい、日常生活を犠牲にしていた場合がありました。
現在、がんの治療に対する患者さんの意識の変化がおこっており、日常生活をできるだけ犠牲にしないで、副作用の少ない、外来で受けることのできる治療が望まれています。そのため、がんの治療に対する医療側の対応の変化も現在求められており、がん免疫療法は、患者さんのニーズに応えて、医療側が提供できる新たな有効な手段になる可能性をもっているわけです。

がんの細胞免疫療法の今後取るべき方向性について

がんのがん免疫治療と一口に言っても、色々なやり方があります。そもそも免疫機構そのものは免疫細胞間相互作用という精緻を極めるネットワークから成り立っており、そのどれもが重要であり、これらをうまく使いこなすことによって、有効な免疫治療効果が期待出来るわけです。
免疫細胞によるがん免疫療法で、LAK, TIL, CAT, CTL いずれの細胞にしても、生体外では腫瘍細胞と接触すれば腫瘍細胞を障害、殺傷することができます。しかしながら期待された程の効果が上がらない場合があります。これからは生体内に投与された細胞の活性をいかに維持しつつ、細胞を腫瘍局所に集積させるかという免疫細胞の伝達法(Cell Delivery System)の開発が重要になっています。また腫瘍自身が免疫を抑制する様々な物質をつくり、移入した細胞の腫瘍傷害活性を阻害することもわかっています。これをいかに克服するかも重要な点になります。
また新しいがんの免疫治療法の一つとして注目を集めている、樹状細胞療法の今後とるべき方向性としては、標準治療後の微小残存病変に対する補助療法として位置づけ、抗腫瘍効果を持つと考えられる細胞の移入療法と樹状細胞療法とを併用して行なうことが望ましいといえます。そして自己腫瘍細胞由来の抽出抗原や適切な数種類のがん抗原ペプチドを用いた樹状細胞療法を行ない、できるだけ早期に生体に抗原に対する獲得免疫を成立させることも今後の主眼になります。腫瘍再発の無い期間がずっと続くことや、高いQOL(Quality of Life:生活の質)を保ったままでの生存期間の延長を証明することが、がんのがん免疫治療を今後の標準治療の1つとして認知させるためには重要でしょう。

今までのがん治療法と今後のがんの免疫治療との関係について

がんの治療に関して言えば、早期発見、早期治療の実現が王道で、これによってがん治療法のとりうる選択肢が増え、がんの低侵襲治療も可能になるわけです。この際、採用される外科療法、化学療法や放射線療法につづいて、がんの免疫療法もうまく組み合わせて採用されますと、たとえがんと宣告されても恐れることはないという時代が来るのではないか。早くそのような時代が来ないかと、がんの免疫学研究者は日夜研究に邁進しているところなのです。

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