第38回日本バイオセラピィ学会参加報告
2025年11月6日(木)に開催された第38回日本バイオセラピィ学会学術集会総会で、大西 秀哉 院長が「進行性大腸癌に対しネオアンチゲン樹状細胞ワクチン治療が奏功した1症例」を発表しました。
| 演題名: 進行大腸癌に対しネオアンチゲン樹状細胞ワクチン治療が奏功した1症例 |
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【採択セッション】
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進行大腸癌に対しネオアンチゲン樹状細胞ワクチン治療が奏功した1症例
65歳男性。2024年4月、便潜血検査が陽性のため大腸内視鏡検査を受け、横行結腸に腫瘍性病変と高度狭窄が指摘された。生検による病理組織検査では中分化型腺癌と診断された。術前の血液検査では腫瘍マーカーは正常範囲内であり遠隔臓器への転移は認められなかった。2024年6月、ロボット支援下腹腔鏡右半結腸切除術による根治的切除を受けた。切除標本では、横行結腸に65×43mm大の潰瘍を伴う境界明瞭な腫瘍病変が認められた。病理組織学的には、中分化型腺癌で、漿膜下層への浸潤およびリンパ節転移を認めた(pT3, pN3, cM0; pStage IIIc)。2025年8月より計8コースの化学療法(XELOX)と6コースのネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法(class Iペプチドを6個使用)を受けた。当院ではネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法はネオアンチゲンペプチドをパルスした末梢血単球由来成熟樹状細胞をエコー下に鼠径部リンパ節に投与する方法で行っている。2025年9月よりCEAの上昇が認められたが、第4〜6回目のワクチン投与で正常値に低下した。2025年6月のCT検査では再発の所見は認められず、2025年8月のCEAも正常範囲内であった。現在、どのネオアンチゲンペプチドが最も細胞傷害性リンパ球を誘導していたのかを検証中である。本症例ではclass IIネオアンチゲンペプチドは用いなかったが、近年、class IIネオアンチゲンペプチドも使用してCD8+細胞傷害性Tリンパ球のみならずCD4+ヘルパーT細胞も活性化すると治療効果が高いとする報告もあり、その考察も含めてネオアンチゲン樹状細胞ワクチン治療が奏功した1例として報告する。